2024年5月7日
令和6年1月1日に発生した能登半島震災に対する人的支援として、当社の訪問看護ステーションうさぎの理学療法士 宮本佳則が入浴支援に参加しました。
能登半島震災に対する人的支援に参加して********************************************
日本在宅介護協会から「能登半島地震に対する人的支援」の依頼を受け、令和6年3月27日(水)、28日(木)に石川県金沢市にある『いしかわ総合スポーツセンター』の1.5次避難所にて、入浴支援に参加してきました。入浴支援は初めての経験で、行く前は「一緒に組む方に迷惑をかけ足手まといにならないか」と不安しかありませんでした。しかし私自身、阪神大震災の折、避難所でお世話になった自衛隊のお風呂が本当に有難く忘れられず「少しでもその時の恩返しができれば」という思いで参加しました。
スポーツセンターはジムやプールは通常営業、大小の体育館が避難所で居室はメインアリーナでテント、サブアリーナはパテーションで区切られその中に段ボールベッドが置かれていました。メサブアリーナには食堂がありそこで食事やレクリエーションが行われていました。
入浴支援は人的支援に参加された事業所の訪問入浴車を使用しました。避難所である『いしかわ総合スポーツセンター』のシャワールームに浴槽を持ち込み準備をしながら、今日の入浴予定者リストを確認します。1日10名程度でそこには氏名、性別、年齢、看護師確認のチェックが記入してありますが、それ以外の情報はありませんでした。生活スペースから浴室までは100m以上離れていますが、送迎は生活スペースの介護士が行ってくれます。その移動手段・ご様子を観察しながら入浴者の状態を大まかに判断し、入浴支援を行いました。
避難された方達、介護士と過ごすなかで、「入浴の時くらいしか一人になれる時間がないから、少しでもリラックスして入ってもらいたい。」という言葉が印象に残りました。私もこの機会にセラピストとしてできるだけのことをしようと決め、フットマッサージ等を取り入れました。2日目になると「介護」の考え方だけでなく、転倒のリスクや福祉用具の使用等「介護」と「リハビリ」の考え方を合わせ皆でより高い支援に取り組みました。
今回の人的支援に参加させて頂き、現在の避難所の実態を知ることができました。阪神大震災当時の避難所と比べると避難所の環境は飛躍的に改善されていましたが、避難者はご高齢の方が多く、支援させていただいていると家の崩れた写真を見せながら涙ぐむ方、入浴中に色々な思い出話をされる方、疲れて寝てしまう方等、心の傷は阪神大震災の時と変わらない印象でした。入浴支援の私たちは「お一人の時間とリラックス」を提供しましたが、生活スペースの職員はラジオ体操や魚釣りゲーム等レクリエーションを取り入れたアクティビティや散歩等を積極的に行い、避難されている方達に「少しでも穏やかに安心して生活していただきたい」一心で活動されていました。そのような想いの方々の中で一緒に活動させて頂き、改めて人道支援の必要性を身に染みて感じることができました。
一方で、避難所での活動において最も不安に感じたことは情報共有です。身体状態や急変時の対応が不明確で情報共有をお願いしましたが、日々スタッフが入れ替わる環境では難しいようでした。当社も災害時において現場で発生した問題については各推進者にある程度判断を任せて柔軟に対応できる体制を整備し、緊急時に対応できる柔軟さ、お互い協力しあう気持ち、情報共有の大切さを基本として、今後の業務にも繋げていきたいと思います。
訪問看護ステーションうさぎ
理学療法士 宮本 佳則
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また、社内で支援金を募り、神戸市社会福祉協議会を通じて3月27日に20,000円を寄付いたしました。
被災された方たちの、少しでも早い復興をお祈り申し上げます。